ボトックスによる多汗症治療

多汗症をブロックするためのボトックスの働きは永続的なものではありません。ボトックスの作用は、長くて10ヶ月、短くて半年程度です。期間を長引かせるためと一度に大量投与はできません。
 
一定期間をおいて注射をやりなおす等の対処をしていきましょう。ボトックスの効果が消える前に再注射をすることを、ボトックスの製造メーカーであるアラガン社は推奨しています。完全に効果が消えないうちの注射の方が、結果的にボトックスの効果が出るようです。

個人差はありますが、半年サイクルで続けていると数年で汗腺が萎縮するともいわれています。薬液の注入には、超極細針が使われます。ボトックスを皮下注射すると1センチ余の範囲で拡散します。そのため、多汗症の範囲内に数十カ所に分けて注入します。
 
施術者の技量や受ける側の感じ方によって、注射の痛みには差があります。チクリとする程度だったという人もいればとても痛かったという人もいます。ボトックス注射によって多汗症を止める方法はメスを使わず、背中や腹部からの汗が増えるというような副作用もなく、有効性のある施術方法です。デメリットは高額な施術費用で、定期的な注射が必要な上に保険の適用外とされている点です。

一回の注入につき10万〜15万がかかりますから、ボトックスによる多汗症治療を継続するにはある程度の出費を覚悟しなければなりません。 

多汗症のボトックス治療

ボトックスワキガに効くと思っている人がいますが、ボトックスの効果があるのは多汗症です。多汗症ワキガは根本的に違う原因と症状ですのでご注意下さい。
 
汗腺除去法を用いて汗が多量に出る部分を切り開き、汗腺を完全に除去すると、多汗症は治るでしょう。体にメスを入れるということに抵抗のある人もいるでしょうし、またそれほど重症の多汗症ではないという人は、ボトックス治療の方がいいでしょう。

ボトックス注入法多汗症の症状はあっても汗の臭い自体は比較的薄い人や、季節によって発症の程度が異なる人、手のひらなどに対して行う多汗症の治療法です。ワキガの原因になるアポクリン汗腺の働きは抑えられませんが、その場合でもボトックスによって発汗の量を減らすことはできます。汗のにおいの元である、雑菌が繁殖することを防ぐことができるので、においも減らせるでしょう。

ボトックスで治療する方法は、汗が多量に出る部分にボトックスを直接注射するのです。アレルギーもまず心配する必要はなく、5〜10分くらいで施術してしまえるため、診察に行ったその日に受けることもできます。ですから入院したり後の通院の必要もなく、術後の痛みや腫れもほとんどないので、その日から普通の生活ができます。会社や学校にも普通に行けますし、シャワーも可能です。施術直後は変化はありませんが、数日〜1週間で効果が現れ始めます。ボトックス注射レーザー治療を組み合わせて治療を行うと、汗の量が減ると同時に細菌の繁殖も抑えてくれます。多汗症が治ると同時に、汗のにおいがなくなり、衣服が黄ばむこともなくなります。

多汗症治療に使われるボトックスとは

アメリカのアラガン社が製造販売しているボトックスは、FDA(米国食品医薬品局)にも承認された多汗症の治療薬としての医薬品なのです。
 
ボトックスはもともとは多汗症治療用ではなく眼瞼痙攣や斜視などを改善する治療製剤でした。ボトックスの有効成分であるA型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌が作る猛毒のうちのひとつです。使われるボツリヌス菌は確かに猛毒ですが、量はほんのわずかな上、多汗症には血液の中に入れられるというわけではないので、安心です。
 
ボトックスには一時的に筋肉の働きをブロックする効果があります。筋肉の収縮を弱めるために、筋肉と神経が接合した部分に働きかけます。このボトックスの性質を生かすことで多汗症治療の他にもシワ治療薬としても使われています。
 
多汗症は、アセチルコリンという神経伝達物質の指示によりエクリン汗腺から大量の汗が分泌することです。多汗症の治療として、アセチルコリンの働きを阻止して汗が出るのを抑えるのが、ボトックスの力です。ワキガの元を作るもうひとつの汗腺、アポクリン汗腺がありますが、ボトックスの働きではこれは抑えることはできません。
 
イプセン社から開発されたディスポートや中国製のBTXAという製薬も、ボトックスのようなA型ボツリヌス毒素製剤です。BTXAの方は非常に安価ではるものの、アメリカなどではまだそれほど売られていないようで、日本でもほとんど使用実績がありません。
 

ボトックスで治療できる多汗症とは

多汗症とは交感神経の狂いなどから汗を過剰に分泌する症状であり、脇の下や手のひら、頭などに症状が現れます。
 
多汗症の治療にはボトックス注射があり、脇の下や手のひらに使われます。多汗症ボトックス治療は用いられますが、たまにワキガと混同されがちです。ワキガは汗に独特のにおいがあるのがその症状で、多量の汗をかくことが特徴の多汗症とは厳密には違うわけで、治療も別のものなのです。
 
昔の食事と違い、欧米化された食事をするようになり、肉の摂取も増えているため、そのことが体臭にも影響しています。清潔志向によりにおいを気にする人も増えて来ているので、多汗症で体臭が気になってしまい、人との交流に積極的になれない人も少なからずいるようです。ボトックスや交感神経を切除する手術をすれば、今は多汗症も治療できるようになっています。
 
ボトックス治療では、多汗症の原因であるエクリン汗腺の活発な働きを鈍らせて、発汗が盛んに行われないようにするのです。エクリン汗腺から出される汗は水分が中心で、これは体内から熱を放出するためです。正常な状態でかく汗は熱い場合や体を動かしたときです。もうひとつの汗腺、アポクリン汗腺は、毛穴とつながって体内の老廃物を排出する役目をし、脂肪や鉄分、それからアンモニアなどを体の外に出すのです。アポクリン汗腺はワキガの原因となる汗を出す部位ですが、ボトックスによる治療には効果がありません。